FisdomというJMOOCの存在を今更知る
ここ数年、オープンエデュケーションがアツい気がする。
大学時代、(特に理由もなく)社会教育学の講座をいくつか受講していたのだが、事由課題で少し長いレポートを求められ、本来社会教育というのが公民館とか市民大学とかああいったものだということは重々理解していながらも、「オープンエデュケーション」をテーマにした記憶がある。
オープンエデュケーションというとCourseraとかが有名だが、現状私が動向を追えているのはgaccoだけに過ぎない。……と思っていたのだが、最近、新たなプラットフォームを見つけた。gaccoと同じJMOOCのFisdomである。
というわけで今回は、gaccoとFisdomについて少し調べてみた……というか、なんというか。
gaccoとFisdom
gaccoはNTTドコモが運営している、日本初のMOOC講座*1である。第一弾が重度のアイドルオタクで東京大学史料編纂所の本郷和人教授の講座だったということもあって、なんだか文系という印象も強いが、情報系をはじめとする講座も多い*2。
一方、Fisdomは富士通が運営しており、プレスリリースを見る限り、セキュアなことが売りらしい(そして2016年開設ということは私は実に2年もノーマークだったということになる)。
だが、普段gaccoばかり覗いている私からすると、むしろ大きな特徴は、受講期間が長いことである。講義そのものは1回完結とかもあるのに、開講期間が1年だったりする。
今のところ、「××は文系重視、〇〇は国際系の講座が多い」とか、そういった違いはないようだ。
e-learningと開講期間
ところでさっきから私はJMOOCのプラットフォームはgaccoとFisdomしかないかのような書き方をしているが、有力なプラットフォームにOUJ MOOCがある。OUJはOpen University Japanの略で、要は放送大学である。
放送大学の科目は、例えばアルゴリズムとプログラミング('16)のように、開講年度が示されており、一定期間を過ぎた科目は無くなる*3。これは、情報が更新されないまま講義だけが延々と放送され続ける……という事態を避けるためである。あと、著作権的な都合もあるのかもしれない。
それと同じように、MOOCの開講期間についても、様々な視点から考えていく必要がある。Fisdomの1年というのは決して長い方ではないし、むしろありがたいのだが、gaccoのやたら短期間の開講期間に慣れてしまった者としては、「長いというのもアリだな」という気にさせてくれる。
Fisdomは理系重視になるのだろうか?
先ほど、gaccoとFisdomでは文理の差はあまりないということを書いたが、どうもFisdomの最近の講座を見ていると、理系の基礎的な部分*4の講座が多い気がする。極め付きは4月開講の「新人SEのための確率と統計基礎」で、職種まで限定した講座は、少なくともgaccoにはほとんどない。
元をたどればNTTドコモも富士通も技術が売りの企業だが、Fisdomは完全にその方面で生きていくことになるのだろうか?
*1:
より
*2:例えば、これとか。lms.gacco.org
*3:同名の科目でも撮影しなおしになり、新しい科目として扱われる。
*4:その割、高校数学修了が前提条件にあるなど、なかなかどうして対象を選んでいる。