ゴーゴーカンダチメ

自称"文系プログラマ"のkandachime11による備忘録。

MOSを持っているとどのくらい役立つのか

私はWordとExcelMicrosoft Office Specialistという資格を持っている。この資格、まあまあ認知度が高いし、Office製品だってよく目にするのだが、なぜか身近にMOSを持っている人を見かけない。恥ずかしいから口に出さないからだろうか?

 

ところで今、私はMOSを持っているという理由で毎日WordかExcelとにらめっこする仕事に抜擢されたのだが、いざ従事すると、色々思うことが出てきたので、いくつか書き連ねていこうと思う。

ある業務にMOSを持っている人*1アサインするべきかの判断をするような人の役に立つかもしれないし、MOSを取得するか悩んでいる人に役立つかもしれない。

 

 

 ちなみに私が取得しているのはそれぞれSpecialstレベルなので、Expartになるとまた変わるのかもしれない。

 

Specialistクラスであればだいたい誰でも合格する

Specialistクラスに限って言えば、特段レベルが高いわけではない。

正直、半年ぐらいOfficeがある環境で働いている人と同等ぐらいの知識*2しかないし、きちんとした索引を持った技術書を持っていれば、十分太刀打ちできる。

とはいえ、全くOfficeの知識がなく、しかもこれまで使ったことがないという人が、突然Officeをばりばり使う環境に放り込まれるという状況であれば、MOSの勉強をしたというのは、「それなりに使える」という担保にはなるので、ずぶの素人状態は脱却できる。

ちなみにタイピングの速度は全く問われないので、極端な話、一本指タイピングでもMOSには受かってしまう。

 

 MOSだけで自主性は身につかない

MOSで問われるのは、ある機能名が指定されている時に、それを実行できるかという能力であって、それ以上でもそれ以下でもない。

例えば、Excelで「リストの入力規則を指定しておいて」なんて指示する人はそう多くない。だいたいの場合、「選択肢出るやつ」とか、そもそも何も具体的には言われなくて、自分があるドキュメントを作る時にどんな機能を使うか自分で考えなくてはならないという場面が多いはずである。

MOSを持っているからといって、完璧なドキュメントを作ってくれると思ってはいけない。ただ、資格取得の中で「Excelは/Wordはこういった機能がある」ということは覚えるので、求めているドキュメントを具体的に示せば実現してくれる可能性は高い。

 

Excelスキルの正体

MOSExcelExcel VBA(よく「マクロできますか?」と訊かれるときに暗に問われているスキル)は別物である(現に別の資格が存在する)。そして、なぜかExcelスキルというと、このVBAが問われることが多い……ような気がする。

MOSのSpecialistレベルでもマクロは取り扱うので、本当に最低限のところであればできるようになるが、VBAの書き方には一切踏み込まない。この点は、受験者も、あるいはアサインする側も気を付けるべきだろう。

あと、意外と関数も覚えない(SUMとかAVERAGEとかは勿論覚えるが)。

 

バージョンごとの適応性

私は2013を持っているが、今Officeを使っている環境は2007,2010,2016である。そうなるともちろん違いは出てくるが、対応できないというほどの問題はない。体感的には、少なくとも前後のバージョンについては何の問題もない、と言えるとは思う。

 

では受験価値はあるのか?

職業訓練の一覧を見ると、MOSを目標にしているコースは多いが、先述の通り、もしOfficeがない環境にずっといて、しかもこれから入る環境がOffice必須だということが明らかな場合は、学習する上の里程標として役立つ*3

逆に、ずっとオフィスワークをしていた上での転職など、どう考えてもOfficeが使えるということがわかっているという人にとっては、いかんせん受験料が微妙に高いので、特にSpecialistレベルについては受験を見送っても良いかもしれない。

悩ましいのが大卒の新卒だが、少なくともMOSをとったから就活は安泰なんてことはない。やることがないなら受けてみても損にはならないが、大学生にとって1万円超という受験料がどのくらいの価値なのかを考えてからでも遅くないと思う。

*1:MOSのSはSpecialstの略なので、MOS資格に合格した人をMOSと呼ぶのではないかという気がしてきたのだが、あまり一般的な考え方ではないと判断したので、とりあえず「MOSを持っている人」と呼ぶことにする。

*2:IT系になった今だけでなく、全く違う職種だった前職でも同じことが言えると思う。

*3:これは実際にそういった環境出身の人だけでなく、例えば採用時などにそういう環境出身だと思われかねないような境遇の人にも言えることだと思う(第二新卒で転職した私はまさにそっちの理由で取得したが、効果は覿面だった)。